生産者紹介
紀州の農業を支えていただいている生産者の皆さまをご紹介いたします。
- 【キュウリ】美浜町 田端 修一(たばた しゅういち)さん
- 【柑橘】由良町 桶田 幸広(おけだ ゆきひろ)さん
- 【南高梅】みなべ町 山﨑 真一(やまさき しんいち)さん
- 【花き類】印南町 池田 晃(いけだ あきら)さん
- 【ウスイエンドウ】日高川町 柏木 敏昭(かしわぎ としあき)さん
- 【小玉スイカ】印南町 五島 築(ごとう きづく)さん
- 【南高梅】みなべ町 有本 義宣(ありもと よしのぶ)さん
- 【ブロッコリー】日高町 上田 明広(うえだ あきひろ)さん
- 【南高梅】みなべ町 山本 秀平(やまもと しゅうへい)さん
- 【花き類】名田町 斎藤 喜也(さいとう のぶや)さん
- 【ゆら早生】由良町 川口 拓洋(かわぐち たくひろ)さん
- 【ミニトマト】印南町 みなべいなみミニトマト部会の皆さん
- 【スターチス】名田町 瀬川 和哉(せがわ かずや)さん
- 【千両】日高川町 桒 博則(くわ ひろのり)さん/玲子(れいこ)さん
- 【柑橘類】由良町 山口 高弘(やまぐち たかひろ)さん
- 【南高梅】みなべ町 上野 章(うえの あきら)さん
- 【いちご】日高川町 龍田 雅人(たつた まさと)さん
- 【ミニトマト】印南町 村上 実(むらかみ みのる)さん
- 【柑橘】由良町 中谷 明博(なかたに あきひろ)さん
- 【スターチス】名田町 田中 正俊(たなか まさとし)さん
- 【南高梅】みなべ町 楠谷 治巳(くすたに はるみ)さん
- 【ゴーヤ】日高川町 瀬戸 佐知子(せと さちこ)さん
- 【小玉スイカ】印南町 堀池 政志(ほりいけ まさし)さん
- 【南高梅】みなべ町 井出 忠夫(いで ただお)さん
- 【柑橘】由良町 山中 孝次(やまなか こうじ)さん
- 【ミニトマト】印南町 出口 大雄(でぐち ひろお)さん
- 【南高梅】みなべ町 江端 潤二(えばた じゅんじ)さん
- 【スターチス】御坊市名田町 前田 昌紀(まえだ まさのり)さん
- 【柑橘】日高川町 藏光 俊輔(くらみつ しゅんすけ)さん/綾子(あやこ)さん
【スターチス】御坊市名田町 前田 昌紀(まえだ まさのり)さん
就農年数7年。スターチス50a、カスミ草20aを栽培。JA紀州青年部名田支部花き部会長。
継続は力なり
花き栽培にこだわる
こだわり
JA紀州中央青年部名田支部の花き部会長を務める前田昌紀さん。就農後7年目を迎え、両親と共にスターチス50a、カスミ草20aを栽培しています。
小さい頃から畑で遊び、ハウス張りや片付けなどを手伝っていたこともあり、物心ついた頃には「両親の跡を継いで、花を育てる」と考えていました。
就農当時は、スターチスよりもカスミ草を多く栽培していましたが、徐々にスターチスの生産量を増やしてきました。
今年は、8月末と9月上旬の2回に分けて、スターチス約15,000株とカスミ草3,700株を定植。台風や雨の影響を受けず、病気も発生することなく、順調に生育しています。
スターチスは、作業性と収量の多さを重視し、花色の評価が高い青系のライトラベンダー色の「インペリアルラベンダー」と赤紫色で生産性が極めて高い「パープルポイント」15aずつを中心に、今年は新しく濃い目のピンクで病気に強く、ステム(茎)が硬い「フェアリーピンク」7aを導入しました。
「自分で作った花が、店頭に並び販売されていることが、1番のやり甲斐」と話す前田さん。「花屋さんにJA紀州中央の名前が入った箱が置かれているのを見ると、本当にうれしい」と、笑顔がいっぱいです。
昨年度は、春彼岸後の気温の急激な上昇で花が一気に成長し、JA全体の生産量が増え過ぎてしまいました。
最も丈の長い2Lサイズに限定し、出荷調整したことで乗り切ることができましたが、今後の対応が課題となっています。
前田さんは、他の作物に変えていく必要性を感じてはいるものの、「他の花が見当たらない。野菜ではなく、やはり、花しか考えられない」と強調します。「今は、現状を維持すること。良いものを作れるように、品質を追求したい。そのために、消毒の機械をはじめ、新しい設備をどんどん入れていきたい」と考えています。
以前から青年部が取り組んでいる「母の日参り」の活動が、昨年、大きく動き出しました。
和歌山県や御坊市の協力を得て、全国展開を目指す「母の日参り」プロジェクトが立ち上がりました。
もちろん、名田支部花き部会長である前田さんもプロジェクトの一員で、青年部の中心となって企画やPR活動に取り組んでいます。
「母の日参り」の活動のきっかけとなったのは、花き栽培が盛んに行われている名田支部の部員の一言です。「おかしい!家族の愛が足りていない!」。
2009年、親が子供を虐待死させる事件が相次ぐ中、子を持つ親世代が多くなっていた部員たちが彼の言葉に共感し、「花農家として何か役に立ちたい」という思いから、「花を使って愛を語り、よりよい社会をつくる活動」に取り組むことを決めました。
少ない予算の中で、部員自らが育てた花を持ち寄って花束にし、「~母の日参り~ うつり変わる時代の中で 忘れてはいけない家族愛 想い出むねに母の日参り」とメッセージをつけ、JR和歌山駅前や県内外のイベントで配布、PRしています。
昨年は、半年の間に10回以上も部員たちが集まり活動しました。「これまで、手探りでやってきました。今年度は、大阪の商業施設など、新しく賛同してくれた場所でPR活動することが決まっています」と、すでに今年度の計画を進めています。
「母の日参り」の活動を始めてから、前田さん自身、これまではあまり足を運ばなかったお墓に、家族と共にお参りするようになりました。
前田さんの両親は現役で、毎日活き活きと農作業にいそしんでいます。85歳になる祖母も健在で、カスミ草の出荷を手伝ってくれたり、育てた野菜を食べさせてくれるなど、とても助けられており、「これからも元気で、家族そろって一緒にやっていきたい」と、願うばかりです。
高校時代、陸上部の恩師が言い続けていた「継続は力なり」という言葉を、今、自分自身で実感する日々です。「継続していれば必ず結果は出ると信じて、農業はもちろん、『母の日参り』の活動も長く続けていきたい。他にも、若いからこそ出来ることがあると思う。若い人たちが手を組み、JAが進めてくれた活動にも、積極的に取り組んでいきたい」と、やる気がみなぎります。
(2013年9月)